ここ数年で勢いのある塗り壁材料に西洋漆喰と呼ばれるものが挙げられます。
その原材料が 【 石灰クリーム 】 と呼ばれるモノで、日本では タ○クリーム という商品名で馴染みがあると思います。
最近ではス〇ス漆喰(カ〇クウォール)とか良く聞きますね。
ただし、これは純粋な石灰クリームではなく、最初から使い易いようにメチルセルロース(糊)、炭酸カルシウム(骨材)、樹脂などが混入された既調合の製品です。
他にも ヨーロッパの国名の後ろに漆喰と名前が付いて販売されている殆どの製品が、この石灰クリームを主原料にした既調合の塗り壁材料だと思います。
例外は スペ〇ン漆喰 と呼ばれる製品で、これは粉体で販売されており、製品自体は水硬性なので 水硬性石灰 を使っているか、もしくは セメント が混入されているのでは? と推測されますね。
あくまで推測なので違ったらごめんなさい。
日本の漆喰との違いは、表面強度がとても強く鏝押さえを続けると比較的簡単に艶を出せる事です。
また、熟成させる(寝かせる)事によって粒子も安定し、滑らかでモチっとした材料になります。
イタリアでは最低でも2年以上は寝かせ、熟成期間により値段も大きく違うと聞きました。
何十年モノとかは大変高価で、熟成期間を重ねるとドンドン高価になっていくところは、まるでワインのようですね。
石灰クリームを自作される方も居られるようですが、熟成が短ければ 粒子が粗く安定性の悪い材料となります。
なるべく倉庫で熟成させたいのですが、なかなかそこまでは難しいかもしれませんね。
タ○クリーム や 西洋漆喰 の製品(最初からメチルセルロースと炭酸カルシウム等が混入されたすぐ使える材料)とは違い、純粋な生ネタ(石灰クリームのみ)なので、自己調合をせねばならないのですが、その自己調合で作った材料は メーカーの保証などあるはずもなく、 塗った壁に対して全て自己責任となります。
逆に言えば、何が混入されているか製造過程の見えない既調合製品とは一線を画しており、自信を持って 「これは間違いなく自然素材だ! 」 と言えるような材料を作る事が出来るでしょう。
純粋な石灰クリームは原料です。
これだけでは使えませんので、色んな物を混ぜて塗り壁材料となります。
漆喰でもメーカー製の既調合があれば、自己調合で研究されている左官職人も居ますよね。
何故か、石灰クリーム系の材料はメーカー製の既調合に任せっきりで、石灰クリームそのものを研究している左官屋さんは少ない気がします。
そのような研究熱心な左官屋さんがもっと増えればよいですね。
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